金管の高音部を担当する楽器です。C、B♭、D管がありますが、主にB♭管が使用されています。18世紀後期、金管楽器の製作者たちはそれまでのナチュラルトランペット(バルブがつい ていない)の限界を取り除こうと努力し、19世紀初めになって、シュテルツェルとブリューメ ルが最初のバルブ付きトランペットを作りました。現在では3つのピストン(バルブ)を持ち、 約2オクターブ半の音域を持っています。
形はトランペットとよく似ていますが、実際はホルンを改良したものです。B♭の楽器です。 1820年代に軍楽隊に導入され、今日もその人気を保っています。19世紀中期にはロッシーニら の作曲家が管弦楽に使用し現在、管弦楽ではトランペットにとって変わられています。ちなみに トランペットよりまろやかで優しい音色がします。
円形にまかれた細長い管に、広い朝顔を持った独特の形で、演奏時 にベル(朝顔)が後ろ向きになり、音も後方に出るという特徴を持っ ています。現在は主に、FとB♭管が使用されています。19世紀になっ てバルブに使用されるようになりましたが、それ以前はクルックとい われる替管を挿し抜きして演奏していました。
演奏者が唇を振動させて音を作り出す金管楽器であるという点におい ては、トランペットと同じですが、管を延長するためにスライド管を用 いるのが特色です。サックバットと呼ばれていたトロンボーンは1400 年代に初めてヨーロッパに登場し、いまなお単純な基本スタイルを保ち 続けて、様々な演奏の合奏で広く用いられています。B♭管の楽器です が、Cの楽器として楽譜が書かれています。
チューバの仲間で3〜5個のバルブがついています。1843年、ワイマール のゾンマーによって考案された、比較的新しい楽器です。当初はロシアとド イツの軍楽隊が、ファゴットの代わりに使用していましたが、現在ではアメ リカで最も広く使われています。また、吹奏楽以外の編成では、あまり見か けない楽器です。
吹奏楽では、最も低い音域を担当する楽器です。広い円錐形の管、広がった朝顔 そしてカップ状の吹口を持つバルブ付きの金管楽器です。特異な大きさと、その深 い音色が特色になっています。最初のチューバは、1830年代にベルリンで作られ 以来、様々な形と大きさのものが作られてきました。そのうちの一つ、E♭管バス チューバは、時にはボンバルドンと呼ばれていましたが、考案後30年間は、あまり 一般的ではありませんでした。